時事俳句
というのはどうも難しいですね。17文字と季語の制約は大きいです。だから、俳句は「こと」ではなく「もの」を詠むように、と言われます。しかし、世の中こんなにコロナ関連で揺れ動いているのになんの関心も寄せることなくひたすら花鳥風月の写生に徹するのは腹ふくるるばかりになるのではないかと思って、今日の朝日俳壇入選句4人の選者による40句を拝見しました。しかしコロナ関連句は見事にゼロでしたね。
一方の朝日歌壇では。さすが俳句より14文字多いだけあって、しかも季語の制約もないので4人の選者による40首の入選歌のうち、マスク、パンデミック、新型コロナ、コロナウイルス、クルーズ船、などの語の入った短歌は9首ありました。その中からRECOCA選の3首を発表します。
断然一席はこれ。
・テレビへも感染したか新型の
二席
・手洗いとマスク嗽(うがい)で迎え撃つ
戦争末期の竹やりの如 木村義熙
三席 これは自分のことを言われているようで・・
・いつ死んでもいいと言いつつ恐れてる
新型コロナ迫りてくれば 伊東紀美子
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俳句がゼロというのはさみしいので勇気を奮ってRECOCAの駄句を。
・梅が香やマスク外して近づけり
・春愁のマスクの群れのひとりかな
・コロナ病貴賤別なし山笑う